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2023年12月10日日曜日

米粉から嚥下食を作る時代へ 嚥下食の大きなパラダイムシフトの可能性 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院リハビリテーション科


米粉から嚥下食を作ることについては、多くの関心を集めるものの、普及には時間が必要普及にはもう少し時間がかかると聞いています。

高アミロース米の米粉のゲル化特性のことは、米粉ゼリーは手触りがもっちりしている一方で、口へ入れるとべたつきやはりつきがなく、するっと口どけします。

食べた瞬間になめらかに広がり、舌のすみずみまでゼリーが入り込むので、通常に炊いたご飯を噛んで食べるよりも素早くお米本来の味わいが感じられるのも、美味しさの強みです。

大きい施設では、ご飯を炊いてミキサーにかけ、そこに何らかのものを加えて嚥下食を作るということに元々慣れていて、それ自体が普通のことになってしまっています。

そういった現場では、米粉ゼリーを取り入れるには作業手順を大幅に変えなければならず、導入までにそれなりに時間を要します。ゼリー状にするためにいったん冷やす、というのを手間に感じる、とのご意見もいただいています。ほかのおかず等に関しても「普通のものを作る-そして展開する」という手順が多いので、その意識の脱却に少しハードルがあるのかもしれません。

まずは、臨時の少量需要(緊急入院や、嚥下内視鏡検査の際)からでもお試しいただき、便利であることを実感していただきたいです。

在宅では、1人のために作るケースが多いですし、ミキサー利用へのハードルが高いので、この高アミロース米粉はたいへん適していると考えています。

グループホームやデイサービス、小規模多機能型施設など、少人数の食事を出すような施設でも米粉ゼリーは数人分だけ作る時に便利ですし、アレンジも容易です。

ところで、炊いた米からではなく米粉から嚥下食を作るというのは、以前よりあって、加熱の必要はなくポットのお湯のみで米粉ゼリーができるという手軽さがあります。

一方、高アミロース米粉は、それに比べれば作るのに手間がかかりますが、米粉100%ですので、味や風味、栄養価が異なり、低コストです。

お好み焼きにしたり、てんぷら粉の代わりにしたり、小麦粉のように使うこともできます。また、嚥下障害の人にとって、離水があると危険だといわれていますが、お粥を炊くような水分量でこの米粉を少量混ぜて炊くと、離水(口腔内で固形物と水分が分離する食品では、水分が無意識に咽頭に流入し、嚥下障害者にとって危険であることが示唆されている)を防いだ軟飯を炊くこともできます。


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